現代の日本は少子高齢化が急速に拡大しており、そのスピードは世界的にも異例の速度である。高齢化が進むにつれて危惧されるのは、認知症高齢者の増加だ。
在宅医療や介護施設では、介護職の負担が増加し、認知症高齢者の虐待も近年増加傾向である。これらの理由によって、医療福祉業界では人手不足が深刻化している。通常業務にプラスαで感染対策、消毒・除染作業、家族の面会制限など、病院や施設では日々対応に追われている。

そこで需要視されるのが、多職種による協力・連携体制である。多職種とは、医療福祉に携わる医師・看護師をはじめとした数々の専門職のことを指す。もちろん、介護職などもここに含まれている。
ではなぜ、多職種との協力が重要視されるのか。理由の1つに、多職種で情報共有し、連絡・調整されることで、利用者に統一された治療や介護が提供されるからだ。一貫されたサービスは効率も良く、何より利用者への負担が最小となる。チームケアにおいては、どんなに小さなことであっても密に連絡・共有することが大切である。

ほかには、医療職や介護職の負担が軽減されるからである。多忙な医療福祉の現場においては、いかに現場を統括し効率よく職務をこなすかが肝となる。どんなに優秀なスタッフが一人いたとしても、適切な役割分担や多職種との情報共有が乏しければ、その才能は全くと言っていいほど機能しないだろう。
このように、現代の医療福祉の現場において多職種との協力は必要不可欠であり、いかに密な連携が図れるかが、今後の医療福祉業界にとっての分かれ道となるのだ。